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大豆ミートは世界を変える?!肉屋が思うこと

大豆ミートは世界を変える?!肉屋が思うこと

大豆ミートについて いらっしゃいませ。 今日は大豆ミートについて語っていこうと思います。 大豆ミートと言えば、人工肉や、代替肉、フェイクミートとしての名称としても知られており、最近では培養肉なんてものも登場し始めました。 有名なところでいくとカップヌードルに使われている謎肉が実は大豆ミートでした、ということで一時話題になりましたね。 確実に身近になってきている大豆ミートですが、タイトルにあるように大豆ミートは世界を変えるのか?!という内容でお話しさせていただきます。 それじゃあ内容に入っていきましょう。話の流れとしては、 大豆ミートってそもそも何?ってことを軽く話したうえで、大豆ミートが今後世間においてどうい立ち位置になっていくのかということを、実体験と考察を交えてお伝えします。 そして最後に大豆ミートとは相いれない存在であろう、僕ら肉屋はどうなるのかということについて深堀りしてみようと思います。 今回の話は、僕個人の主観100%で話すのでその点だけご了承ください。 大豆ミートとは? じゃあ大豆ミートって何ぞやってことですが、その名の通り大豆で出来た肉のことですね。 肉っぽい大豆製品、最初に言ったように、代替肉とかフェイクミートとも呼ばれますね。 今、世界規模でこの大豆を使ったお肉の流通が加速度的にふえてきているわけですが、日本でもいたるところで見かけるようになりました。 例えばスーパーのハムやソーセージなんかの加工肉コーナーなんかで見つけることができます。 見た目的には普通の肉で作られたハムやソーセージとほぼ変わらないので、意識しないと分からないレベルで陳列されていますね。 そんな大豆ミートですが、何で今こんなに世界規模で売り上げを伸ばしているのか、ですが、これは色んな理由があります。健康促進や、環境保全、動物愛護、宗教上の理由などなどです。 今回は専門外な箇所もあるので、その全部に触れることは無いですが、その一部はこの後話す、大豆ミートは世間をどう変えるのか、について交えていこうと思います。 大豆ミートは世界を変える?! はい、じゃあ大豆ミートの簡単な紹介についてはこんなところにしておきます、今回の話のメインはここからです。 大豆ミートはさっきから言っているように、既にいろんなところで商品化されています。 ハンバーグ、ハム、ソーセージなんかの加工肉はもちろんのこと、最近では肉そのもののフェイクミートまででてきました。 結論からいくと、大豆ミートは今後更にふえていき、今の食肉市場に多大な影響を与える存在になると僕は考えています。 どれくらいの規模で影響を与えるか想像でしかないですが、あと10年くらいで今のお肉の流通の3分の一くらいまでいくかもしれません。 なんでそう思うのかについて、 大豆ミートの可能性の面と、肉屋の僕が感じている食肉業界の流れから考察だらけの解説をしようと思います。 まず大豆ミートの可能性について話す前に、実際に大豆ミートを食べたことある方っていますかね? 大豆ミートが今後来る!って僕は言ってますが、実際に食べたことある人は正直そんなにいないんじゃないかなと思います。 あ、もちろんカップヌードルの謎肉を食べたことがある人は多いと思うので、それを含めるとその限りじゃないですね。 まぁ、それは置いといて、実際食べたことある人に聞きたいんですが、どうですか?美味しかったですか?...

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焼肉食べ放題でもとを取るには?プロが肉の原価を公開しながら語ります

焼肉食べ放題でもとを取るには?プロが肉の原価を公開しながら語ります

焼肉食べ放題でもとを取るには? いらっしゃいませ。 今回はみんな大好きな焼肉食べ放題についてお話ししようと思います。突然ですが、みなさんは焼肉の食べ放題って好きですか?肉屋が言うのもなんですが僕は大好きです。普段から、よく行きますし、好きな外食は?と聞かれたら間違いなくトップ3には入ります。もちろん、「そんなに量は食べれないし、良い肉を少しだけ食べたいって方も多いでしょう。」良い肉を少しだけ食べるのも大好きですが、やっぱりあの約2時間の制限の中、好きなだけ肉を食べれて、サイドメニューも選び放題っていうのはワクワクします。きっと同じように大好きな方は多いでしょう。今日はそんな、人気の焼肉食べ放題について、だれもが考えたことがあるであろう一つの疑問。「焼肉の食べ放題ってどれくらい食べたらもととれるの?」について肉屋の僕が、肉の原価を公開しつつ、実際のところどれくらい食べればもとは取れるのか、具体的な数字で解説しようと思います。 「もとをとる」って何? まず、最初にはっきりさせときたいのが「もとをとる」とか「原価」ってなんぞやってことですね。「一皿いくら」のものを、食べ放題の料金分頼めばもとをとれたことにするのか、それとも肉の原価で考えて料金以上食べてもとがとれたと言うのか。そして原価には肉の原材料費以外にも人件費や家賃を含むのか、このへんをはっきりさせとかないと、こっから先の話がややこしいので、ある程度決めときますね。もとをとるについては、誰しも一度は考えたことがあるであろう「どれだけ食べたら店が赤字になるんだろう」をベースに肉の原価だけで料金以上を食べる前提でいきます。そして原価については、本来人件費や家賃なども含めるべきですが、それをやると資材代や水道光熱費など、きりがなく分かりづらいので、肉の原材料費のみで計算させてもらいます。つまり、肉の原材料費だけで、どれだけ食べたら払ったお金以上食べたことになるのかな?という、とんでもなくわんぱくな人を想定してお話しさせてもらいます。そして。お店の食べ放題の料金は一般的な焼肉食べ放題チェーン店の料金、そうですね3500円くらいを仮定させていただきます。まぁ、おそらく多くの人がこの段階で「原材料費だけで食べようと思ったら、相当な量食べないといけないんじゃない?」と思うでしょうが、はたしてそれは本当なのかどうか、ここから肉の原価を公開しつつ解説します。 それぞれの肉の原価 それじゃあまず、食べる肉を決めましょう。今回はメジャーなところに絞って、カルビ、ロース、ハラミ、タン、豚バラ肉を食べまくることにします。ちなみに、ご存知の方も多いと思いますが、食べ放題の肉は基本輸入の肉です。一部国産のものを使用というメニューもありますが、ほぼ輸入肉だと思ってもらってOKです。 で、それぞれの肉の原価はいくらなんだって話ですが、まず牛カルビ、これは僕ら肉業界の人間がナーベルやショートプレートと言ってる、牛のバラ肉になります。一時期高騰しましたが、最近は1kgあたり冷蔵のもので1000円から1200円ってところでしょうか。ここで一つ予備知識ですが、肉の原価は単純じゃなくて歩留まりってものが大きく関係してきます。今回歩留まりについては詳しくふれませんが、簡単に言うと、カットする前の肉の塊から、多すぎる脂や、硬いスジ、汚れなんかを削らないといけないから、その削った分、原価に上乗せしないとダメだよねって考えです。 話を戻して、今回の牛カルビの肉についても1kgあたり1000だとしても、歩留まりという考えを当てはめると、余分なところを削ったら結局1100円くらいになっちゃいます。それで、焼肉食べ放題の一人前が80gくらいだと仮定して、一皿およそ90円くらいになります。あ、今回は一皿全部80gで計算しますね。どうですか?もうすでに一皿90円と聞いて、3500円という料金が遠く感じてきましたか?まだ慌てるような時間じゃ無いですね。次の肉へいきましょう。次はロースです。ロースはお店によって使用している部位が違いますが、今回はチャックロールという輸入の牛肩ロースを仮定します。よくスーパーなどで売ってる牛肩ロースのステーキ、あれですね。この肉は、さっきのカルビより高くて原価1kgあたり1700円くらいです。チャックロールは硬い部分があるんで、そこはサイドメニューの煮込み系やハンバーグにまわされたと考えて歩留まり70%、で計算すると一皿およそ200円ほどが原価になります。さっきのカルビの倍くらいですね!ただお店によって一皿の量は調節してあると思うので、今回は本当にざっくりした数字だと思ってください。どんどんいきましょう、次は焼肉の超人気部位ハラミです。ハラミは輸入ものの名前をシンスカート、またはアウトサイドスカートと言います。ハラミの代わりに似たような部位のサガリ、海外名称ハンギングテンダーってのを使うお店もあります。肉業界では略してハンテンってよく言われてます。で、これらの部位の原価は、最近相場が安定しないですが1kgあたり1800円くらいです。輸入のハラミは端っこのほうがペラペラで焼肉にしようにも、厚みが足りないので歩留まりでいうと、85%ほどで、一皿の値段にすると170円になりますね。国産のものは希少部位として高価格なハラミですが、輸入の品物はそこまで値段が伸びなかったですね。さぁ、牛肉の最後はみんな大好き、焼肉の定番中の定番、牛タンです。これも冷蔵のものを想定しますが、原価はさっきまでのものと比べて頭ひとつ以上抜けた、1kgあたり5500円です。牛タンは皮がついてるもの、ついてないもの、先っぽがおとしてあるもの、おとしてないものなど、色んな仕入れの際のバリエーションがあるんですが、今回の5500円っていうのは皮がついてなくて、硬い食感のタンの先っぽが落としてあるものです。なので歩留まりは90%で計算します。そうすると一人前だいたい490円くらい、と言いたいところですが、牛タンは一人前80gもないことがほとんどです。僕の印象だと50gくらいのところが多いように感じます。なので一人前310円にしておきましょう。最後に豚バラですね、これは最近すごく値上がりしてるんで、冷凍のものを使うことにします。冷凍の豚バラ、原価およそ1kgあたり700円で歩留まりを考慮して一皿60円ほどです。これで一通り原価が出揃いましたね。じゃあこのお肉たちを注文してみましょう。お腹がすごく空いてるときに入店したとして全部2人前ずついっときましょうか!もとをとるにはどれだけ食べればいいかはい、気になる合計原価はと言うと、1660円になりました。でも、実際は白ごはんとか、お酒、サイドメニューも頼むんで、さっき言った肉を全部2人前は少しつらいかもですね。さらに牛タンについては、今回冷蔵のもので計算しましたが、実際は冷凍の牛タンを使うところがほとんどでしょう。そうなると肉の原価はさらに下って1500円くらいになります。こうなると肉の原価だけで料金分の原価をとるのは絶望的ですが、一応どれだけ食べれば原価超え出来るか計算します。一番原価の高い冷凍じゃないチルドの牛タンをひたすら頼むと仮定して、単純計算でカルビとロース、ハラミ、豚バラ2人前ずつ、牛タンを8人前食べればもとがとれそうです。牛タン8人前、枚数にして約32枚。いける、、、かな?まぁひとつ間違いなく言えるのは、それだけでお腹いっぱいになるどころか、食事をまともに楽しむことはできないということでしょう。焼肉食べ放題を楽しむために来たのに、苦しくなるくらい、もとをとることを意識しすぎるのは得策とは言えなさそうですね。それじゃあ焼肉食べ放題を楽しむにはどういう注文をするのがいいのか。 焼肉食べ放題の楽しみ方 これはもう、ここまで言えばみなさんお気づきでしょう。食べ放題とはいえ、原価なんか気にせず、余裕で食べ切れる量、もしくはそれよりちょっとだけ多めに食べるのが満足度が高くなると思います。実際、肉を食べまくらなくても、最初に言ったようにお店は人件費や家賃がかかっているので、2人前ずつくらい食べただけでも十分もとはとれると思います。 というか、食べ放題のお店の料金設定は本当によくできていて、お客さんもお店も両方幸せになれる価格になってるんです。 だって、そうなってなかったら食べ放題の店がこんなにたくさん出来るくらい流行ってないですからね。まぁ、節度をもって食べましょう、とはいえ僕もついつい食べすぎて、家に帰ってからいつもうなってしまってるんですが、、はい、今日は誰もが一度は考えたことがあるであろう焼肉食べ放題の店でもとをとるには!という話題で、実際の肉の原価を交えつつお話しさせていただきました。食べ放題のお店に行った時楽しみ方は人それぞれでしょうが、もとをとることに固執して、楽しい時間を忘れてしまっては、本末転倒ですね。ということでしめさせていただこうと思います。

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牛タンと言えば仙台!と言われるのは何故?肉屋が解説します。

牛タンと言えば仙台!と言われるのは何故?肉屋が解説します。

牛タンと言えば仙台!と言われるのは何故? いらっしゃいませ。 今回はタイトルの通り牛タンと言えば仙台と言われるのは何故なのかといった、お肉雑学をお話ししようと思います。 牛タンと言えば、超がつくほどメジャーな焼肉の部位ですがその気になる発祥なんかも、僕なりに調べたことを交えてお話しするので興味のある方はぜひ最後までお付き合いください。 このブログでは、今まで気づかなかったような、お肉の魅力を発信していきます。 YouTubeチャンネルnikuhackも更新中ですので、よろしくお願いします。 それじゃあ早速お話ししていくんですが、最初に結論からいきます。「牛タンと言えば仙台」となる理由は、牛タンを商品として最初に世に出して広めたのが仙台のとあるお店、とある人物だからです。そしてそこからの、販売戦略が上手だったのが要因だと僕は考えています。 まず牛タンを最初に世に出したということについてですが、これについては諸説ある中で一番有名な話をします。 「牛タン 歴史」とかで検索すると結構たくさんのページで書かれていることで、知ってる人は知ってるそれなりに有名なお話しです。 簡潔に言うと、時はさかのぼって終戦直後の昭和20年代、仙台で焼き物屋を営んでいた、「太助」、というお店の店主「佐野啓四郎」氏が牛タン焼きというものをはじめたのが、牛タンが世に出るきっかけとなった、という話ですね。 このころはまだ牛タンというものは、とてもマイナーな部位でほとんど食されることはありませんでした。 そこで太助さんの店主である佐野氏が他と変わったものを提供したいという思いで、洋食屋で食した牛タンが使用されたビーフシチューにインスピレーションを受けて誕生したのが、仙台名物となった牛タン焼きということです。 ちなみに牛タン焼きと、焼肉店の塩タンは混同されがちですが、製法が異なる似て非なるものですね。 さっき牛タン焼きの発祥については諸説ありと言いましたが、他にも戦後の米軍駐屯地で余った牛タンを焼いて食べていたのが始まりとする説もあるようです。 ただ、牛タンをそもそも当時アメリカから日本へほとんど運んでいなかったようなので、この説については否定的な意見も見受けられます。 牛タンが有名な理由もう一つ そして、仙台が牛タンの聖地であるも一つの理由としては、お店の拡大や、駅弁などの売り出しで成功したことが大きな要因だと僕は考えています。 牛タンと言えば、すごくポピュラーで、多くの人に愛される肉ですが、かと言って普段からたくさん食べれるほどお安いものではないですよね。 肉屋だから分かりますが、牛タンの原価は以前とは比べ物にならないくらい高騰しており、決して安い肉ではありません。 必然的にそんな牛タンを使用した料理や弁当は高価になりがちです。 でも、ちょっと贅沢したい時、新幹線の中でくらいは、いつもと違ういいもの食べたいってことで、牛タン弁当は駅弁の選択肢にあがりやすい商品の筆頭ですよね。 駅弁のような地域性の高い商品は、話題になりやすく、自然と仙台の牛タンは美味い=仙台と言えば牛タンというイメージが広がったんではないかと勝手に推察しています。 ただ、こんなふうに思う人も中にはいるかもしれません。 「牛タンの名産地だから仙台は牛タンが有名なんじゃないの?」 確かに、名産と言われるような品物って、産地がその地域になってることが多いのでこういうイメージをもつのは当然かと思います。 が、実は間違いで、仙台の牛タンは有名ですが、名産地ではありません。 これがどういうことなのか、ちょっと触れますね。 牛タンの名産地のイメージは間違い まず仙台の牛タンであっても、ほとんど輸入物が使用されています。 もちろん中には国産の牛タンを使用しているお店もあるでしょうが、国産牛タンの手に入りづらさと価格の高さから、飲食店や弁当などで使用されるものは、ほぼ外国産と考えていいでしょう。...

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肉屋の儲けの仕組みとは?肉屋の原価計算の授業

肉屋の儲けの仕組みとは?肉屋の原価計算の授業

肉屋の原価計算 いらっしゃいませ。 今回はみんなが気になるお金の話。肉屋の儲けについて赤裸々にお話ししようと思います。 なんでこんなことを話そうと思ったか、と言うとですね、いつも僕が投稿してるtiktok動画のコメントを見てて、肉屋は儲かる!みたいなことをよく書かれてわけです。 それで、あぁ、そうかと。肉屋って凄い儲かってるイメージを持たれてるのかと。 それなら、そのイメージをちょっと払拭してみようかなと思ったわけです。 肉って高価なものだから、さぞや儲かってるんだろうな〜とお思いの方がいればぜひ最後までお付き合いください。 あと、肉関係の仕事を初めたいって方もぜひ聞いてみてください。もしかしたら、始めるのやめとこ、、ってなるかもしれませんが。。 じゃあ、実際肉屋は儲かるのか?そして、うちの店ではどんなふうにして儲けをだしてるのかの一部をお話しします。 肉屋は儲かる? まず結論からいくんですが、儲かりまくるってことは無いです。 具体的な数字を言っちゃうと、粗利益率は、店によって違いますが、だいたい30パーセントくらいです。 百貨店とか駅ビルに入ってるような精肉店はテナント料、いわゆる家賃で10%くらいもっていかれるので、その分粗利益率は上がってます。 どうですかね?この粗利30%って聞いて、めっちゃいいじゃんってなりますか? ちなみに、この数字を言うと、和牛とかは値段が高いから、30%でも儲かるよね、と思われそうですが、それに関しては後でお話しします。 この30%っていう利益率から分かるように、肉屋は利益率の高いの業種ではないです。 どんな職でもそうだと思いますが、ライバルも多い中ただ肉切って売ってれば儲かるってことはないんですね。 よく、YouTubeのコメントで肉屋か焼肉屋やりたいっていただくんですが、肉切れるだけじゃ肉業界は無理ってことだけは、前もって言わせて欲しいです。 それが何で無理なのか?実際どうやって儲けをだしているのかお話しします。 まず肉屋って、イメージ的には職人とか技術職みたいなもんだと思ってる方多いと思います。 で、そういう人って包丁持って肉捌いてなんぼの世界で、あんまり会計とか利益計算が得意そうってイメージはないですよね? でも実際の肉屋は、自分でお店を持つなら、という話にはなりますが、包丁も経理もプロじゃないとやっていけないです。 「値段設定どうしよっかな〜、とりあえず100g500円くらいでいいんじゃない?」みたいなのでは絶対無理です。 単純な考えでやれるほど、肉屋は甘くないんです。 僕が何かの価格を決めるときは、「仕入れが300円なら、歩留まりと、相乗積で計算して、売値はこれくらいにしたいけど、競合店はあの値段でやってるから、さすがに厳しいな。ここは価格を抑えて、他の部位で手間加えて合計で利益取れるようにしよう」 みたいなことを、考えて決定してます。 ちょっと意味の分かりづらい単語がでてきたかもですが、簡単に説明します。 どこかの授業チックになるんでちょっと申し訳ないんですが、ついてきてもらえると嬉しいです。 まず、肉って言うのは、例えば、単純に仕入れ原価700円の肉に利益300円をのっけて1000円で販売するっていうのは出来ないです。 ここで大事なのが歩留まりっていう言葉なんですが、これは簡単に言うと、...

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【西は牛肉!東は豚肉!】←何でこうなってるのか?

【西は牛肉!東は豚肉!】←何でこうなってるのか?

いらっしゃいませ。 お肉の世界には、とある議論があるのをご存知でしょうか? 肉と言えば牛肉、豚肉、どっち?問題です。 西日本と東日本である質問をすると、かなりの確率で答えが綺麗に分かれます。 その質問と言うのが「肉と言えば何の肉?」です。 西日本では牛肉という答えが返ってきますし、東日本では豚肉という答えが返ってきます。 冒頭で議論とか論争とか、ちょっと大袈裟に言ってしまいましたが、これって結構有名な話ですよね? で、今回はこの「肉と言えば牛肉・豚肉どっち?」は何で存在するの?って話をしようと思います。 これは日本のお肉の歴史が関係してます。 肉の歴史雑学にはなりますが、結構有名なこの話の根幹が知りたいって方はぜひ最後までお付き合いください。 さぁ、それじゃあやっていきましょう。 肉の歴史から紐解く まず、そもそもこの話っていつからあるんでしょうか? これは、戦時中から始まったと言われています。 もともと日本では、明治時代より前、肉食文化は浸透していなかったんですが、明治に入り欧米化の影響で一般にお肉が食べられるようになります。 が、日清、日露戦争のころに軍用食料として牛肉の缶詰が利用されるようになったことで、国内の牛肉が足りなくなる、といった現象が起きてしまうのです。 そこで、どうしても肉が食べたかった当時の人たちは、農耕用に飼っていた牛を食べたと言われています。 そしてそれがそのまま、現代まで味覚の記憶として残り、牛肉が好まれる文化が形成されていきます。 が、それは西の話で、東ではどうだったのかというと、農耕用には馬が主に飼われていました。 ちなみに、このへんの、農耕動物の違いは明治よりもっと昔の文化に根付いたものみたいですね。 話を戻して、東では馬が変われてたんなら、流れ的に馬肉がもっと浸透してるんじゃないの?と思われるかもですが、そうはなりませんでした。 それというのも、馬肉っていうのは牛や豚に比べて見た目の通りスマートなので食べれる部分が少ないんですね。 それにもかかわらず、関東の大都市部ではたくさんのお肉が必要だったので、肥育期間が短く、多産、つまり、たくさん繁殖する豚はうってつけだったというわけです。 さらには、豚は雑食なので、都市部で、多くでた残飯を食料として、その糞尿が農作物の肥料としても使えることから、この循環サイクルが多くの人の暮らす大都市を維持するのに大いに役立ちました。 うーん、こうして見ると、ただ単に話のネタとして関西は牛!関東は豚!というのが広まったんじゃなくて、農耕動物としての地域の特性と、戦時中から戦後にかけての当時の社会事情も深く関係していることが分かりますね。 実際に食文化が違うのか? それでは、食肉文化の流れがちょっと分かってもらえたところで、ここである疑問が、、 話には東西で牛豚の違いがあるのは知ってるけど、実際のところ本当に分かれてるの?って話をしようと思います。 これは、関東と関西をそれぞれ住んだことのある僕の経験談です。 学生時代は関西に、その後群馬で肉の専門学校へ行った後、東京での肉修行、からの関西、といった感じで関東と関西を転々と移り住んできた中で、本当に違いを実感しました。...

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「肉は腐りかけが美味しい」って本当?

「肉は腐りかけが美味しい」って本当?

「肉は腐りかけが美味しい」って本当? いらっしゃいませ。nikuhackの谷です。 今回はタイトルの通り、「肉は腐りかけが美味しい」という有名な言い回しは本当なのか?について肉のプロ目線で解説します。 まず最初にはっきりと言わせていただきますが、この言い回し、絶対に鵜呑みにしないでください。 腐りかけが美味しいというのは言葉の綾のようなものであり、「切られた肉を腐る直前まで放置すれば美味しくなる」というものではありません! これをまず頭にいれていただいたうえで、じゃあ何でそんな言い回しが存在するのかということをお話しします。 腐りかけが美味いは何で言われるようになったのか? 「肉は腐りかけが美味しい」という言葉が何で存在するのか、それは諸説あるかもしれませんが、僕は肉の熟成と関りがあると考えています。 腐りかけ、と言うと単純に冷蔵庫の中で時間のたった腐敗に近い肉を想像されるかと思いますが、この「肉は腐りかけが美味しい」という言葉は、あくまで「熟成」を由来とするワードです。 熟成と腐敗は全くの別物です。 どういうことか順を追って解説しますね。 昔、というほど昔ではないですが、今と違ってお肉の流通の技術が発達していない頃は肉を骨付きのまま冷蔵庫で保管する、というのが一般的でした。 そんな状態で冷蔵庫で保管される肉は、場合によっては表面が黒く変色したり、パサパサに乾いて見ようにによっては腐っている風にも見えました。 ただ、それは腐っているのではなく当時の冷蔵庫の中の環境と骨付き肉、という特定の条件下でのみ発生する肉の熟成というものが進んだ状態に他ならなかったのです。 今ではこの熟成手法を今では枯らしと呼んでいます。(この記事のサムネイル画像が枝枯らしをした肉です) その様子を見た当時の人たちが、肉は腐りかけが美味いと言い出したのが、この有名な言い回しが生まれた経緯なのだと僕は思っています。 推察に過ぎない話かもしれませんが、ほぼ間違いなくこれが理由でしょう。 僕も骨付き肉の状態で枯らしされたものを見たことがありますが、確かに肉の表面は黒ずんでいました。 今でこそ「熟成」という言葉は有名になりましたが、この言葉が一般的でなかった当時、熟成は当たり前のこととして捉えられていたのでしょう。 こういった言葉の経緯を知らずに熟成と腐敗を勘違いした人がカットした後の肉を冷蔵庫で寝かせたりしますが、塊の状態から切った後に旨味が増えるということはまず無いので勘違いしないように気をつけてください。 旨味が増えるのは塊肉の状態の時で、そこから切った後は酸化が進むだけです。 例え熟成された肉であったとしても商品用に切ってしまえば一番美味しいのは絶対に切りたてですからね。 放置した肉を食べるのは体調を崩す原因になります。 熟成は当たり前? さて、そんな腐敗とは異なる熟成ですが、今ではその手法も多岐に渡ります。 ただ一つ言えるのは、昔のように冷蔵庫で自然と熟成が進む環境ではありません。 今は以前と違い、真空パックされた塊肉での流通が基本だからです。 真空パックの肉がどういうものなのかと言うと、僕のYouTube動画で最初に登場する塊肉を真空パック詰めされたものがそうです。  真空パックされた肉は、当然ですが空気に触れないですし、骨付きでもないので先に述べたような熟成が進むことはないんですね。 なので、今ではたとえ肉屋であろうと簡単に骨付き肉の熟成を行うことは難しくなりました。...

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肉屋の揚げ物は何で美味い?

肉屋の揚げ物は何で美味い?

肉屋の揚げ物って何で美味しいの? いらっしゃいませ。 今回は肉屋の惣菜が美味いワケを語っていこうと思います。 あそこの肉屋はコロッケが美味いとか、ミンチカツが絶品!みたいな話って聞いたことあると思います。 なんなら既にお気に入りの肉屋の惣菜をずっとリピートしてますよ、って方もいらっしゃると思います。 そんな何かと話題にありがちな肉屋の惣菜について、何で美味い美味いと言われるのか、その理由を二つの大きな根拠からお話しします。 美味しさの秘訣は「油」と「端肉」 それじゃあ前置きは短めに、まずその大きな二つの根拠が何なのかについて最初に言っておくとそれは、脂と端材です。 もちろんこれだけじゃよくわからないと思うので、ちゃんと説明しますね。 ちなみに言い忘れてましたが、今回は肉屋の惣菜の代名詞でもあるコロッケとミンチカツにしぼってお話しさせていただきます。 ラードとヘットの有効活用 じゃあ、まずは油ですね。 揚げ物をするときに必須の油ですが、肉屋で使用される脂は動物性の油であることが多いです。 動物性の油?何それ?と思われるかもですが、動物性の油というのはその名の通り、牛や豚の脂をとかして作られた脂のことです。 俗に言うヘットとラードですね。 牛脂がヘット、豚の脂がラードです。 この動物性油であるヘットやラードを揚げ物の油として使うことで、植物性油で揚げた時よりも味が濃くなるというのが、肉屋の揚げ物は旨いと言われる所以です。 ヘットやラードで揚げると、実際に白絞油(しらしめゆ)などの植物性油で揚げた時と比べると、カラッと揚がりやすく、風味も一味違ったものになります。 一方でコストが高くなるのと、ラードで揚げたときなんかは、人によってはべたッとするという印象を持たれることもありますね。 ただ、そのデメリットを差し引いても動物性油で揚げたときのコロッケやミンチカツは実際風味があって美味しいんです。 じゃあ何で、肉屋はラードやヘットを使って揚げ物をするのかと言うと、それは僕がYouTubeにアップしている動画を見てもらえると納得してもらえると思うんですが、 肉屋は毎日大量の肉を切る過程で大量の脂が出るからです。 その脂を有効活用するためにも、ラードやヘットを使って揚げ物をしてるってわけですね。 動画のコメントで削った脂はどうするんですか?という質問をたくさんいただきますが、多くの肉屋で揚げ物に使用してます、というのが答えになります。 それを捨てるなんて、とんでもない!の精神です。 削った部分も美味しく使う、この精神もあって肉屋の揚げ物油は一味違うものになっているというわけです。 端肉が美味い はい、それじゃあ次に、肉屋の惣菜が美味しい理由その2。 それは端材っていう風に冒頭で言いました。 端材っていうのは、肉を切る時にでる、端っこの肉ですね。...

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肉に関する資格について

肉に関する資格について

肉の資格ってあるの? いらっしゃいませ。 今回は肉に関する資格についてお話します。 YouTubeに動画を投稿していると、こんな質問をいただくことがよくあります。 「肉屋になるのに何か資格が必要ですか?」 結論から言うと特別な資格は必要ありません。 しいて言うなら、肉屋に限らず食品を扱ううえで不可欠な資格である 「食品衛生責任者」くらいでしょうか。 もちろん食肉販売許可や、惣菜製造業などの施設に対して必要な許可はあります。 が、「人」に対して求められる資格は先ほどの「食品衛生責任者」くらいです。 ただ「食品衛生責任者」も「肉屋の資格」ではないので、肉を扱う職業固有の絶対条件になる資格というものは存在しません。 ここまで言うと、今回の話は終わりになってしまうのですが、これだと味気ないので日本にある肉の資格について一部を紹介します。 肉の資格 さっき肉の資格は必要無いって言ったのに、日本にある肉の資格を紹介するってどういうこと? とお思いになるかもですが、法律的に必要な国家資格みたいなものは無いにしても、いくつかの団体が公表している資格が存在します。 例えば、全国食肉学校が発表している「食肉販売技術管理士」。 全国食肉検定委員会からは「お肉博士」。 日本安全食料料理協会が出す「お肉ソムリエ」。 これらが肉の資格として比較的有名なものになります。 それぞれ取得するには検定が必要になり、その取得難易度は異なりますが、取得が容易なものもあります。 で、こういう資格を持ってると何が凄いのか? それは肉に対する知識です。 資格の価値 知識というのは僕が普段YouTubeやブログで言っているような、肉の部位や衛生に対する知識みたいなものです。 普通は知りえないお肉の知識を上記の有資格者達は持ち合わせています。 ただし、それはあくまで知識です。 資格取得の性質上、肉を扱う技量はほぼ問われません。 知識と技術の両方を持ち合わせてこその肉のプロですから、肉の有資格者=プロという構図にはならないのが上に挙げた肉の資格の現状だと思ってます。 僕自身「食肉販売技術管理士」の資格を持っていますが、今の肉屋としての核は実務で得た知識と技術が9割です。  ...

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「牛一頭買ってみた!」←これの何が凄いのか、肉屋が語ります

「牛一頭買ってみた!」←これの何が凄いのか、肉屋が語ります

牛肉の一頭買いは何が凄い? いらっしゃいませ。今回は牛肉の一頭買いについてお話しします。牛一頭買いって聞くと、「おーなんだか凄そうだな」ってなりますよね。店の看板にデカデカと一頭買いって書いてあったり、YouTube上でも牛一頭買ってみた、なんていう動画がでてたりしてます。でも、言葉の響きは凄いけど、実際のところ何が凄いの?って気になりませんか?今回はそんな疑問にこたえてみようかなと考えてます。なので、牛一頭丸々買ってみたっていう事の真相が知りたい方は、ぜひ最後までお付き合いください。 それじゃあやっていきましょう。 一頭買いとは? まずは、そもそも牛の一頭買いって何なの?って話ですよね。言葉通りの意味でいくなら、生きてる牛を買ってきて自分で捌くよ!みたいな印象をうけるかもですが、これは違います。正しくは、牛がと畜された後、枝肉っていう状態になったものを、食肉市場で買い付けることです。 市場以外の相対取引で買い付けるのもそうですね。専門用語多めになっちゃったんで、かみくだいて言うと、お肉がたくさん売ってる市場で、500kgくらいある、めちゃくちゃでかい肉の塊を買う事です。どうですか?イメージできますかね?お肉業界関係者の方なら、知ってる事なんですが、そうじゃなければ普通、でかい肉の塊、ここでいう枝肉なんて目にすることがないので、分からないと思います。枝肉っていうのは、牛がと畜された後、頭や足先を落とし、皮や内臓を処理して、さらに背骨のところで綺麗に縦半分に分割された状態のもののことです。 で、この枝肉が、お肉ばかり大量に集まる食肉市場っていうところで、競りにかけられて1日200頭以上取引されてます。この枝肉ですが、高価なものだと1kgあたり3500円とかするので、一頭が500kgだとすると単純に180万くらいするわけです。一つ180万するお肉を買いました!ってだけで「凄い!」ってなりますよね。でも、牛肉の一頭買いって、お店側がただ単に、ドヤ顔するためにやってるわけではないんですね。じゃあ何のためにやってるのか、一頭買いの本当の価値って何なのかに迫ってみます。 一頭買いは何のためにやるのか? なんのためにやるのか、結論からいくと。それは、自分が本当に扱いたい牛肉を購入するためです。さっきも言ったように、一頭200万近くする肉を買ってきて凄いでしょ!みたいな宣伝目的っていうのは間違いでは無いですし、それをメインの目的にやってるところもあると思います。でも、本来の目的は違うと僕は思ってます。自分にとって、会社にとって本当にこだわるべき肉を見つけるために、一頭丸々買う、これこそが一頭買いの真価です。ここまで言うと感の言い方は気づいたかもしれません。本当に欲しいものを買うためにやるのが一頭買いってことは、それ以外のお肉の買い方があるの?って話ですよね。もちろんあります。それがパーツ買いって言って、ロース肉とかバラ肉、モモ肉みたいにバラバラになった状態のお肉を仕入れることを言います。むしろ、ほとんどのお店でこっちのパーツ買いっていうのが採用されてます。さっき、本当に欲しい肉を手にいれるために一頭買いをするって言ったんで、パーツ買いのほうにある種、妥協感が漂ってしまってますが、それは違いますよってことだけは言わせておいてください。どっちの仕入れ方法が良い、悪いの話ではないんです。ということで、もう一歩踏み込んで、一頭買いとパーツ買いそれぞれのメリット、デメリットみたいなものを話してみようと思います。これを知ってると、一頭買いしてる焼肉屋さんとか行ったときに、話のネタにすることができるんでぜひ聴いてみてください。 一頭買いとパーツ買いのメリット、デメリット まず一頭買いのメリット、デメリットですね。メリットはもちろんさっきから言ってるように、自分が欲しい肉をこだわって仕入れることができる点です。以前は一頭で買った方が安いなんてこともありましたが、今では、骨を取り除く作業が大変なのと、保管の問題で、コスト面でのメリットはずいぶん少なくなりました。あと、メリットとして一頭買いしてるよ!ってことを大々的にアピールできるのも忘れちゃいけないですね。次にデメリットですが、自分で肉を本格的に選ぶことになるので目利きが難しいっていうのと、一頭分のお肉を綺麗に使い切るのが大変っていうのがあります。目利きに関しては、専門のプロがいるっていうと大変さがわかるでしょうか?いわゆる肉選びの達人みたいな人が世の中にはいるんですね。 選んだ肉次第でお店の利益が激変するといっても過言ではないので、その責任は絶大です。 プロでさえ難しい枝肉の目利きですから、普段からお肉に携わっていない人が、良い肉を選ぶっていうのは現実的じゃないですね。 そして、もう一つ、一頭分のお肉を使い切るのが難しいってことです。枝肉は牛のお肉全部のことで、言い換えれば、たくさんのパーツ、部位の集合体です。よく売れる部位もあれば、あまり売れない部位もありますし、季節によってそのへんの売れ具合は変わってきます。わかりやすく簡潔に言うと、「売れない部位あまっちゃうけど、どうすんの?」って話です。僕もこれまで一頭買いをやってきましたし、今も一部やってますがこの問題には本当に頭を悩ませます。全国の一頭買いをやってる肉関係者全員が同意してくれると思います。一頭丸々買っちゃったのはいいけど、バランスよく売り切らないと、めちゃくちゃ損するよっていうのが最大のデメリットかもしれないですね。それじゃあ次にパーツ買いのメリット、デメリットにいきましょう。と言っても、これはさっきの一頭買いのメリっト、デメリットを反対にしたものがあてはまるかもしれません。メリットは、細かく分けられた部位ごとに仕入れるので、利益管理がしやすいことですし、デメリットは仕入れの幅が制限されることです。 あと一頭買いであれば骨付きの状態で仕入れることも場合によっては可能なので、骨つき肉が手に入らないのもデメリットかもしれません。こだわる方は骨つきの状態で仕入れて、熟成させるって人もいますからね。まぁ、ようするに、一頭買いとパーツ買いのは表裏一体みたいな関係にあるよってことですね。 それじゃあ結局、どういう仕入れが理想だと思ってるの?ってことになってくるかと思います。ありきたりな答えかもですが、使い分けが一番なんじゃないでしょうか?実際僕もパーツ買いすることが多いですが、一頭で仕入れることもあります。それぞれの長所と短所をうまく補いつつやるのが、一番スマートな仕入れだと個人的には考えてます。具体的には、一頭買いで不足した部位を要所要所で、パーツ肉を使って補うとかですね。はい、ここまで話してきて、当初の一頭買いって何が凄いの?ってことからだいぶそれてきちゃいましたね。今回のまとめ、にはなりますが、いったん話を戻すことにします。 まとめ 真空技術の発達にともなってパーツでの流通がメインになった牛肉ですが、世の中には、絶対に枝肉での一頭買いだ!と豪語する人もいます。宣伝目的に、牛一頭買いました!も、もちろん良いと思いますが、やっぱりその本当の意義は、お肉へのあくなき探究心だと思ってます。肉の世界に生きる者にとって、自分で選んだ肉が、長年の経験をもとに培った目利きで選び抜いた肉がみんなに喜ばれることほど嬉しいことはありません。そうやって喜ばれることが積み重なって、そのお店が選んだ肉自体がブランド価値をもつこともありますし、実際にそういうお店を知っています。僕もそういう存在になれることを目標に日々頑張っています!ということで、しめさせていただこうかと思います。それでは今日はこのへんで失礼します。 またのお越しを。

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本当は難しい赤身肉の選び方について解説します

本当は難しい赤身肉の選び方について解説します

本当は難しい赤身肉の選び方 いらっしゃいませ。今日はみんな大好きな赤身肉についてお話ししようと思います。赤身肉といえば、今や霜降り肉よりも好まれると言っても過言じゃないほど、人気のお肉ですよね。そこでなんですが、みなさんにとある質問を投げかけようと思います。それは「美味しい赤身肉ってどういう肉のことですか?」です。おそらくですが、多くの方が「食感が良くて脂身のほとんど無い肉」と答えるでしょう。はい、正解です。 ただ、この認識だけだとお肉を買うときに思わぬ落とし穴にはまってしまうかも、ということだけ忠告させていただきます。今回はそんな落とし穴にはまらないため、赤身肉の失敗しない買い方、という内容でお話しさせていただきます。赤身肉を買うときに、きっと役に立つ情報なので、最後までお付き合いいただければ幸いです。 赤身肉買うときの落とし穴 それじゃあ、まず最初にさっき言った落とし穴って何ぞや?ってことから説明します。最初に、とは言ったものの、今回言いたいことは、ほぼここに集約してます。それは、一口に赤身肉って言っても実はかなり種類が多いから、なんとなくで買うと失敗する可能性がありますよってことです。具体的にどれくらい種類があるの?ってことですが、僕がお客様に提案するとしたら少なくとも10種類くらいから選びます。 この具体的な数多くの赤身肉の紹介は後でやるとして、なんとなくで赤身肉を買うと何で失敗するのか、をもうちょっと詳しく触れておきますね。これは想像がつく方が多いと思います。というのも、お肉って赤身肉に限った話じゃないんですが、作りたい料理にあった部位って言うのが存在するんですね。例えば、ステーキならこの部位とか、ローストビーフならこの部位が良い、みたいなのが一例です。で、赤身肉っていうのは霜降り肉と比べてどうしても肉質は硬めになります。霜降り肉なら、その食感の柔らかさからだいたいどんな料理でも失敗しないんですが、赤身肉の場合はそうはいきません。 より注意深く肉選びをしないと、料理に合った肉を選べないよねってことになります。失敗しやすい赤身肉の選び方としては、「赤身肉と言えばモモ肉!とりあえず牛モモ肉を買おう!」といったものです。この選び方をしている人がいれば、それは今日で卒業してください。 赤身肉の選び方 それじゃあ、赤身肉を買うとき、どう買うのが正解なのか具体例を交えつつお話ししますね。結論からいくと赤身肉を買うときに大事になってくるのが、何の料理を作るのか、そして予算はどれくらいなのかを明確にしたうえで、お店の人に相談することです。とはいえ、お店の人に尋ねるよりも、自分で選びたいという方もいると思うので、そんな方のために具体的な内容に触れていきますね。まず一つ目、何の料理を作るのか、で決めるべきなのは主に肉の部位です。固定観念で、赤身肉って言うとモモ肉!ってイメージだと思いますが、肉の赤身部位はモモ肉だけじゃないんです。そこで、どの料理にどの部位が合うのか、逆にどんな部位は向いていないのか、の一例をあげます。まずステーキですが、代表的なところで言うとヒレ肉。これは誰でも分かると思います。あと、モモ肉でいくとランプやマルシン、そしてバラ肉の一部であるカイノミと呼ばれるような肉が該当します。 それと輸入牛やホルスタイン種のロース系統の部位なんかもそうですね。このお肉たちに共通するのは、赤身肉だけど柔らかいっていう点です。少し話はずれますが、赤身肉っていうのは基本的には食感のある部位です。 言い方を変えれば硬い肉ですね。 でも中には、さっき例にあげた肉のように、肉の繊維が細かい、もしくは繊維と繊維の間の結びつきが弱いものがあります。こういう肉は、たとえステーキという筋繊維の塊であっても、一つ一つの繊維が細いので噛み切れやすかったり、繊維の結びつきが弱く口の中でほぐれやすかったりするので、他の赤身部位と比べて、にはなりますが柔らかくステーキに向いているってことになるわけですね。ただし、その分価格も高くなりやすいので、そこは要注意です。一方でステーキの反対に薄切り肉、すき焼きやしゃぶしゃぶに向いている赤身肉はと言うと、外モモや内もも、肩肉なんかがそれにあたります。肩肉に関しては、場所によっては霜降りがはいりますが今回は肩肉の中でも赤身の箇所を使う前提でいきます。このお肉たちに共通するのは、もうお判りでしょうが、さっきの逆で少し食感が硬いということです。硬いということだけ聞くと、いいことないじゃん!と思われそうですね。今言ったような部位、硬いということは繊維の特性も逆で、繊維が太めで結びつきがしっかりしているがゆえに、大きな一枚ものの薄切りにしたときに、崩れずらく見た目も良いっていう特徴があります。ランプやマルシンといった部位は、薄切りにするにしては、少し小さいですし、薄く切りすぎると鍋に入れた時にボロボロになる可能性があります。あとステーキ肉と比べて、価格が控えめなのも見逃せないですね。   こんな感じで一長一短ではありますが、料理ごとに部位を選ぶって言うのは、出来上がりと懐事情にかなりの差を生むのでぜひ知っておいてほしいです。 気になる料理があればコメント欄に書き込んでいってください。必ずお答えします。はい、それでは二つ目の考慮するべきこととして予算をあげましたね。これについては、牛肉の品種をどうするか、と言い換えてもOKです。品種って言うと、黒毛和牛とか交雑牛、ホルスタイン種、もしく輸入牛といったもののことです。一般的には今言った黒毛和牛を先頭に値段は高くなります。一つ目に言ったお肉の部位と合わせて、お財布と相談しながら購入すればいいよ、ってことになるんですが、もちろん今回はそんな当たり前のことだけで終わらせません。品種を考慮しつつ赤身肉を買うときに注意しないといけないのが、「赤身肉だと思って買ったのに、霜降り肉がでてきた」という可能性があることです。どういうことかと言うと、黒毛和牛を買う時によくあるんですが、赤身の代表各であるモモ肉を買うと思いのほか霜降りが入った肉がでてくることがあります。黒毛和牛は霜降りの入りやすい品種なので、一般的に赤身部位と呼ばれるモモ肉にも霜降りが入ってくるんです。なので、ちょっと奮発して良い赤身のモモ肉を買おう、ってなった時にノータイムで黒毛和牛を選ぶと、あれ?ってことが起きるんですね。 (霜降りが入るのは悪いことではないですし、何なら僕も赤身肉は多少霜降りが入っている方が美味しいと考えていますが)陳列されたものを自分で選ぶなら、こんなことは起きないんですが、精肉店で店員さんに注文するときや、通販でお肉を買うときは要注意です。これが、最初に言った「赤身肉と言えばモモ肉」っていう考え方は卒業しましょうということにも繋がってきます。この注意点を頭にいれたうえで、品種別、予算に合わせて自分が今欲しい赤身肉を選べれば完璧ですね。とはいえ今言ってきたようことを考慮しつつ肉選びをするのは正直至難の業です。出来る人は、肉屋になれます。なので、作りたい料理と予算をお店の人に伝えて、一緒に肉を選ぶのが手っ取り早いですし、失敗も少ないかもしれません。結局それかい!と思われそうですが、それくらい赤身肉って選ぶのが難しい部位なんです。肉屋でも赤身肉の目利きにはめちゃくちゃ慎重になります。同じ品種、同じ部位でも食べてみたら、あれ?ってことはざらにありますからね。このブログをここまで見てくれた方は、ぜひお肉屋さん、もしくはスーパーならお肉コーナーの人に尋ねてみてください。きっと親身になって答えてくれるはずです。はい、今日は失敗しない赤身肉の選び方についてお話しさせていただきました。今やお肉のメインストリームになりつつある赤身肉ですが、何も知らずに買うと、想像と違って残念な思いをする可能性もあります。そうならないためにも、今回の内容を頭の片隅にでも置いといてもらえたら幸いです。では今回はこのへんで失礼させていただきます。ご覧頂きありがとうございました。またのお越しを。

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交雑牛って本当に美味しいの?肉のプロが本音で話します

交雑牛って本当に美味しいの?肉のプロが本音で話します

交雑牛って本当に美味しいの? いらっしゃいませ。今回は、一時期YouTube界隈で話題になった交雑牛について話そうと思います。交雑牛ってインターネットをメインに、ここ数年でかなり知名度があがりましたよね。そこで、この交雑牛を肉のプロの目線から、どんなものなのか、本当に美味しいのかといった内容で順を追って解説します。 まず交雑牛って何ぞやってところからいきましょう。 →今回のブログ記事を動画でご覧になる方はコチラ!   交雑牛とは? 知ってる人は、おさらいだと思って聞いてやって下さい。交雑牛って言うのは、その字面から受ける印象の通り、牛の品種が交わった牛のことです。品種っていうと、黒毛和種とかホルスタイン種、ジャージー種、褐毛和種(あかげわしゅ)などのことですね。他にも牛の品種って色々あるんですが、交雑牛として市場に出回るのはほぼ、最初に言った黒毛和種とホルスタイン種を掛け合わせたものです。ごくごくたまーに黒毛和種と赤毛和種や黒毛和種とジャージー種などもあるようですが、僕はまだ見かけたことはないです。ちなみに日本の和牛4品種、黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種の中で掛け合わせたものは、和牛間交雑と言って、交雑牛ではあるんですが、表示上は和牛とされるようです。ただ、この和牛間交雑て言うのもこれまで見かけたことはありません。「肉屋のくせに一つの組み合わせしか見たことないの?」と思われそうですが、その通りです。ジャージー種と黒毛和種を掛けわせたジャー黒なる肉を、聞いたことがある程度で、交雑牛として世に出回るのは黒毛和種とホルスタイン種の掛け合わせがほぼ全てなんです。それじゃあなんで黒毛和種とホルスタイン種を掛け合わせたものばかりになるくらい、重宝されているのかと言うと。この掛け合わせは美味しいお肉を生産するうえで、とてもメリットが大きいからです。例えば体が大きくなりやすいだったり、病気にかからづらくなったり、あと黒毛和種の最大の特徴である霜降りが入りやすくなったりですね。病気にかかりづらくなるのは、牛を育てる上で病死などのリスク軽減になりますし、、黒毛和種の霜降りが入りやすくなる特徴と、ホルスタイン種の体が大きくなりやすくなる特徴を受け継ぐので良いお肉がたくさんとれるってことになります。いいとこどりですね!これだけメリットがあるにもかかわらず、生産コストも黒毛和種に比べるとかなり低いんです。肉の生産コストって、その多くを占めるのが子牛の価格になるんですが、黒毛和種と比べて、子牛価格が半分以下になる場合もあります。ここまで聞くと 「良いとこしかないじゃん!まるでサイヤ人と人間のハーフ!肉は全部交雑牛で良くない?」 と思われるかもしれません ただ良いことばかりじゃなく、黒毛和種に及ばないところもあります。   交雑牛の味はどうなの? それじゃあ、ここからは、交雑牛って肉の品種として確かに優秀だけど、じゃあ実際のところどうなの?って話をします。これは結論から言うと、品物を選べば間違いなく美味しいけど、黒毛和牛には一歩およばずです。味に関しては好みがあるので、人によって意見が違うのは分かりますが、僕個人の意見を言うなら肉の旨味という点では黒毛和牛はやっぱり優れています。交雑牛は黒毛和牛の血をひいているので、霜降りが入りやすくなりますが、黒毛和牛の独特の和牛香には一歩及ばずでしょう。それでも交雑牛が市場に数多く出回っているのは、そのコストパフォーマンスの良さからだと僕は思ってます。さきほど言いましたが、交雑牛は子牛価格が黒毛和牛と比べて低いので、必然的に販売価格も下がります。肉に限らずなんですが、商品の満足度って価格とだれだけ釣り合いがとれてるかだと思うんですよ。修行時代の教えでもあるんですが、値段相応の美味しさであることが重要で、高級なら良いというものでは無いと考えてます。 交雑牛なら比較的にリーズナブルに、それ相応か期待よりもちょっと上の美味しさを、黒毛和牛なら価格は高くても、とにかくそれに見合った高い満足度を提供すべきだというのが持論です。僕の理念的な話題になり話はそれましたが、とにかく交雑牛は味という面では黒毛和牛には一歩及ばずとも、価格を考慮すれば満足度の高いお肉と言えます。 今回は交雑牛について話させていただきました。色々言いましたが、うちの店頭でも主力として扱っているこのお肉、味と比較的リーズナブルな価格に釣り合いの取れた素晴らしい肉だと思います。この記事を通して少しでも交雑牛の理解を深めていただけたら幸いです。それでは今回はこのへんで失礼します。

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肉屋でも仕入れるのが難しい『超激レア部位』黒毛和牛の牛タンとハラミについて

肉屋でも仕入れるのが難しい『超激レア部位』黒毛和牛の牛タンとハラミについて

肉屋でも仕入れるのが難しい『超激レア部位』黒毛和牛の牛タンとハラミについて いらっしゃいませ。今日はみんな大好きな牛タンとハラミについてお話しします。 ご存じの方も多いかと思いますが、牛タンとハラミっていうのは実は超がつくほどの希少部位です。 どれくらい貴重かというと、 「焼肉するときは、まずはタン!そのあとは定番のハラミだよね♪」 って感じで、気軽に食べるのは恐れ多いくらいには貴重なお肉です。でも一方で、こう思う方もいると思います。 「牛タンとハラミと言えば焼肉のど定番でしょ、実際どこでも売ってるし、どこの焼肉屋でも食べることができるじゃん。超希少部位って言うの言い過ぎじゃない?」 確かに、牛タンとハラミといえば誰もが知ってる焼肉のメジャーメニューなので、無いところのほうが少ないです。 ただ気軽に食べれる、買えるものは黒毛和牛じゃないですし、ほとんどの場合が海外産のものです。   何故牛タンとハラミは希少なのか? それじゃあ、なんでそこまで言うくらい黒毛和牛の牛タンとハラミが貴重なものなのか。 そしていつも見るタンとハラミは何で安価に食べれるのかっていうのをお話ししますね。まずタンとハラミって牛一頭から取れる数量って知ってますか? タンが約1kg、ハラミはサガリっていうハラミの横の部位を合わせて2~3㎏です。今でてきたサガリは今回詳しくはふれませんが、ハラミの横についてる似たような部位だととらえてくれてOKです。牛一頭からとれる肉が約400kgくらいなので、1パーセントに満たない数字ですね。 まぁ、ここまではよくある希少部位の説明で、何もタンやハラミに限らずどんな部位にもあてはまるので、それくらいは知ってるよって感じかかもしれません。黒毛和牛タンとハラミが希少だと言われるのは、本当の理由はその入手経路確保の難しさです。肉なんだから、普通に問屋さんから仕入れて販売すればいいんじゃないの?と思われがちですがそう簡単ではありません。まず僕らのような販売店や焼肉店は黒毛和牛のタンとハラミが欲しい場合、ホルモンセット、内蔵セットを仕入れないといけないことがほとんどです。 ホルモンセットというのは、牛一頭分のホルモン、内臓肉ですね。 このホルモンセットには、小腸や大腸、レバー、ハツなどがあります。だいたい全部で30kgくらいでしょうか。 タンやハラミっていうのは、内臓肉なのでここに含まれています。で、これがどういうことかというと、タンやハラミ以外も含むセットの価格でしか仕入れできないので、他の内臓肉もきちんと処理して販売できるお店じゃないと、利益が出せないんです。 小腸とか大腸、ミノ、センマイなんかは商品化するときの処理方法も大変ですし、黒毛和牛のホルモンセットとなると、その価格もかなりのものですから、うかつに仕入れることはできません。これがまずひとつ、黒毛和牛のタンとハラミを入手するのが難しい、、というより仕入れるときの障壁第一です。 第二にそもそも、セットであっても仕入れできないというのがあります。黒毛和牛のホルモンは名前の響きを聞いただけで分かると思いますが、めちゃくちゃ人気が高いです。さっき言ったような条件があったとしても、ぜひ欲しいってお店は多いです。牛一頭からとれるホルモン以外の肉は400kgくらいありますが、ホルモンはその10分の1くらいしかありません。タンやハラミなんかはさらにその10分の1です。それに対して日本には数多くの肉屋、スーパー、焼肉屋がありますから、取り合いになるのは容易に想像できますよね。 じゃあそんな取り合いになる黒毛和牛のホルモン、だれがゲットできるのって話ですが。 問屋さんと仲が良い、つまり信頼関係が構築できてるお店です。 需要に対して供給が追い付かない品物ですから、まずは仲のいい、付き合いの長いお店に優先して持っていこうというのは当然かと思います。 新しく焼肉店をオープンするけど黒毛和牛のホルモン、仕入れることできますか?と問屋さんに聞いても絶対に無理でしょう。仕入れることさえ難しい、このホルモンですが、これを仕入れできてるお店は信頼度が高い良いお店と言えるかもしれませんね。 はい、この、取引先の問屋さんと信頼関係を構築できてるお店じゃないと仕入れできないっていうのが第2の障壁でした。   海外のタンとハラミは何でリーズナブルなのか? ここまでで、黒毛和牛のタンとハラミがなんで貴重なのかはなんとなく掴んでもらえたかと思います。でも、一方で気軽に食べれるものもありますよね。それはなんでなのか、もちろん海外産のものだからということなんですが、じゃあなんで海外の牛タンやハラミはリーズナブルなのか知ってますか?え?そうなの?って思うかもですが、牛タンやハラミを含む内臓肉は、その仕入れのメイン国であるアメリカでは、ほぼ食べられないからなんです。 ハラミはスカートという名称でまだ流通しているようですが。で、文化として内臓肉を食べる慣習がないので、自然と大量のタンやハラミが安価に国外に出回るんですね。その結果日本の多くの精肉店、スーパー、焼肉店で気軽に食べることが出来るってわけです。確かに牛タンって焼肉文化で世間に認知されてきたものですから、ステーキメインのアメリカだと、敬遠されがちなんでしょうね。 大きい店舗だと置いてあるかな?ってくらいです。...

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実はカルビっていう部位は存在しないの知ってますか?

実はカルビっていう部位は存在しないの知ってますか?

カルビ肉の真実を肉屋が語る いらっしゃいませ。今回はみんな大好きなカルビ肉についてお話ししようと思います。カルビといえば焼肉の大定番ですが、実は牛肉には「カルビ」という名前の肉の部位が日本に存在しないのはご存知でしょうか?これを言うとほとんどの方に「いやいや、そんなまさか」という反応をされますが、本当なんです。とは言え、実際にカルビという肉はいたるところで目にしますよね。今回は、そんなカルビ肉って実はこんなお肉のことなんですよ、というお話しを肉屋目線でさせてもらおうと思います。普段何気なく注文する、または購入しているカルビ肉についてもっと知りたいって方はぜひ最後までお付き合いください。 【→今回のブログ記事を動画で見る方はコチラ】   カルビは部位名じゃなくて商品名 それじゃあ早速、気になるであろう、カルビという肉の部位が存在しない、ということについて触れるんですが、カルビっていうのは商品名のことで、肉の部位名ではないんですね。大腸や小腸をテッチャンとかコテッチャンって言うのと同じです。で、ほとんどの方はカルビというと脂ののったお肉、もしくはびっしりと霜降りの入った肉を想像されるかと思います。そこで連想される牛のお腹周りのお肉、いわゆるバラ肉がカルビなんじゃないの?と思われることでしょう。確かに、カルビ肉の語源は韓国語で言う肋骨や、その肋骨周りの肉のことを言うので、間違いではありません。実際にカルビを販売している肉屋、焼肉店ではバラ肉を使用しているお店が多いです。でもカルビはさっき言ったように、あくまで商品名なので、この部位じゃないとカルビって名前をつけたらダメ!とかはないんです。つまり、バラ肉じゃなくてもカルビという名前で販売することができるということになります。カルビと言えばバラ肉だよねって方にとってはちょっと腑に落ちないかもですが、肉の表示についてのルールが記載してある、お肉の表示ハンドブックにも同じようなことが記されています。ちなみに、カルビというのは商品名と言ってますが、正確には用途名です。ただ今回は肉屋だけじゃなくて焼肉店の話も含めるので商品名でいかせてもらいます。はい、話を戻していろんなところで見かける、キャッチーで親しみやすい名前のカルビですが、   どんな肉がカルビを名乗れるのか? もちろんなんでもかんでもカルビってつけてもいいのか、と言われると、もちろんそうじゃありません。例えばスネ肉とか、牛の首周りのネックと言われるような肉をカルビっていうのは無理がありますし、実際にやったら間違いなくクレームになります。世間一般的にこういうのがカルビだよね!っていうのがある以上、そのイメージからかけ離れた肉をカルビと名乗って欲しくないですよね?でも逆にどうでしょう?見た目的にも、味的にもカルビの語源になった牛バラ肉に近いものなら。なんでこんなことを話してるかと言うと、カルビは多くのお店でバラ肉を使用していると言いましたが、バラ肉を使用していないお店もたくさんあるからなんです。たとえばロース肉のかぶりと呼ばれる部分や、モモ肉のともさんかくと言う部位をカルビ、とすることがあります。じゃあ何でそういったお店はバラ肉を使用せずに他の部位をカルビ、としているんでしょう?これは、お店の仕入れと商品づくりに関係しています。正統派カルビであるバラ肉って販売する側からすると、正直めちゃくちゃ使いづらい部位です。特上カルビの代表格である三角バラなんかは扱いやすいんですが、その他のトモバラや肩バラといった部位はすごく大きいので、使い切るのに一苦労します。そこで、もっと使いやすい部位を小さく分割して、この部分はカルビ、この部分はロースみたいな感じで商品化したほうが、仕入れる部位を限定できますし、肉を使い切るペースも上がるので無駄がないってわけですね。特にカルビは売れ筋商品ですから、ラインナップから外したくない商品です。そういった意味合いでも、いろんな部位から切り出されています。さっき言ったロースのかぶりや、モモ肉のともさんかくはその一例にすぎません。とにかく脂がのっていて、霜降りが入っていればカルビ、になっていることはこの業界珍しくありません。もちろん、なんでもかんでもカルビにするのは、どうかと思いますが、お客さんが納得する範囲でキャッチーでポピュラーな名前をつけるのは、お店を運営するうえでの戦略の一つなのかもしれませんね。最後に精肉店でカルビを買うときの注意点みたいなものをお伝えしておこうと思います。   カルビを買うときの注意点 カルビはここまで何度も言った通り脂や霜降りが多いお肉です。なので家で焼くときはフライパンじゃなくて網、もしくは脂が下に落ちるタイプのホットプレートで焼くのを強くおすすめします。これを知らないと、脂がくどくて、なんだかしんどいな、ってなっちゃうのでぜひ覚えておいてください。もし網とかがない時は、カルビを買わないという選択肢もありです。焼肉屋さんでは、網焼きが多いので気にならないかもですが、家で焼く時はほんと注意してください。ちなみに、ここまでさんざんカルビについて語っておいてなんですが、うちの店頭、通販サイトともにカルビは販売していません。というのも、さっき言ったような理由から焼いた時に失敗して残念な思いをして欲しくないということからそうしてます。個人的にはカルビは焼肉屋では最高の肉ですが、家焼肉では他のロースやモモ肉なんかの部位のほうが好ましいと考えてます。それじゃあ、うちではバラ部位はどうしてるのかと聞かれると薄切り肉にしています。カルビ肉は薄切りで食べてもめちゃくちゃ美味しいんです。はい、今日は短いですがカルビの真実といった内容でお話しさせていただきました。肉を買う時、食べに行くときの雑談用のネタとして頭の片隅にでもおいといてもらえたらら幸いです。では今日はこの辺で失礼します。

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【注意喚起】肉の生食についてプロ目線で物申す

【注意喚起】肉の生食についてプロ目線で物申す

【注意喚起】肉の生食についてプロ目線で物申す いらっしゃいませ。 今日は牛肉の衛生知識を高めようっていうことで わかりやすい例としてローストビーフと牛肉のタタキを上げて、牛肉の生食についてお話しします。 そのあとで、僕なりに肉の生食について個人的な見解を述べさせてもらおうと思います。 難しい言葉を使うかもですが、必ず知っておいて欲しいことなんでぜひお付き合いください。 【→今回のブログ記事を動画で見る方はコチラ】 ローストビーフとタタキの違い はい、それじゃあなんですが、牛肉の生食に触れる前にローストビーフと牛肉のタタキって違いが分かりますか? おそらく多くの方が、ローストビーフはそれなりに火が通ってて、タタキはそれよりも生っぽい感じ、みたいな認識だと思います。 確かにそれで合ってるんですが、お肉の取り扱い的には完全に別物です。 この違いを知らないとかなりマズイってくらい重要なことです。 どう別物なのかというと、ローストビーフは特定加熱食肉製品、タタキは生食用肉に分類されます。 特定加熱食肉製品と生食用肉 言葉が難しいですよね、要はローストビーフは肉の中心まで加熱して殺菌したもの、タタキはそうじゃない生の肉ってことです。 でもタタキって周りを火で炙ってるから、加熱されてるんじゃないの? と思われそうですが、周りをかるく炙っただけでは加熱して殺菌した、とは言えないんですね。 加熱して殺菌するには肉の中心部を75度で1分っていうのが、決まり文句です。   で、牛肉のタタキはたとえ表面だけ炙っていようが、生食肉扱いになります。 生食肉って言うとユッケやタルタルなんかと同じ扱いになりますね。 それじゃあ、タタキが生食だよってことが分かったところで、タタキが生食用の扱いだと何がマズイの?ってことをお話しします。 「知らない」じゃ済まされない生食用肉 これは、タタキを生食肉として認識せずに提供しているお店があったり、生食用じゃないお肉を買ってきて家庭でタタキを作る人がいることです。 最初の質問の答えに戻るんですが、ローストビーフとタタキって違いがハッキリ分からないって方は多いです。 なんならプロの人でもしっかりした知識を持たず、え、知らなかったという人もいます。 お肉を仕事にしていて、これを知らないというのは正直言って論外なんですが、一般の方からしたらわかりづらいことだと思います。 だってこういう知識って積極的に保健所のホームページを調べる、とかしないと手に入らないですからね。 しかも、最近では色んなSNSや動画サイト、動画アプリでかなりアウトな牛肉の食べ方が投稿されていることがあるんで「牛肉って生でも食べれるんだ」と勘違いしているコメントも珍しくないです。 実は今回一番言いたいことなんですが、牛肉を生っぽい食べ方をしている投稿を見つけたら、美味しそう!という感想を持つだけじゃなくて、その食べ方本当に大丈夫なの?と考えてみて欲しいんです。...

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シャトーブリアンを超える美味な部位って知ってますか?

シャトーブリアンを超える美味な部位って知ってますか?

いらっしゃいませnikuhackへようこそ。 今日は黒毛和牛のシャトーブリアンを紹介しようと思いま、、、したが今回は知られざる最高に美味な部位を紹介しようと思います。   牛肉の最高級部位と言えばシャトーブリアンが最も有名なのは誰もが認める事実ですが、実はそれを超えると言っても過言ではない部位が存在します。 それはシャトーブリアンと同じ牛ヒレ肉の一部であるフィレミニョンです。 (↓の画像がフィレミニョンです) ヒレミニヨンとか微妙に違う名称で呼ばれたりもしますね。 で、おそらくこの名前を初めて聞いた人も多いと思います。 フィレミニョンは取れる量が少なすぎて、その名前をあえて使って販売、提供しているお店が少ないからですね。 具体的にどれくらいの量がとれるのかというと、牛一頭からだいたい700gくらいです。 めちゃくちゃ少ないですよね。こんなに少ないと注文が入ってもすぐ売り切れになって、どうしようもないので商品化はされていないっていうパターンが多いわけです。 牛ヒレの位置的には、ヒレ肉の細くなっている先っちょになります。すごく小さい部位です。 (動画で見てもらった方が分かりやすいかもしれません。)   【フィレミニョンについての動画はコチラ】   それで肝心の味はどうなんだって話ですが、シャトーブリアンよりも柔らかく、味も濃いです。 ヒレ肉と言えば赤身部位ですが、フィレミニョンは少し霜降りが入ってくるので、その分シャトーブリアンよりも柔らかいんですね。 ただ、さっきも言ったようにとにかく取れる量が少なくて、形も小さく頼りない見た目なので単体での商品化は難しいです。 美味しいけれど、量が少なすぎて声を大にして販売するのがはばかられる、なんとももどかしい部位、それがフィレミニョンです。   ちなみに、さっきからミニョン、ミニョンって言ってますが、ミニョンって言うのは、フランス語が語源で小さいとか、かわいらしいという意味です。 ヒレ肉の小さくてかわいらしい部位。その名の通りな部位となっています。 についでに言っておくと、シャトーブリアンの語源は フランスの昔の美食家 フランソワ=ルネ・ド・シャトーブリアン さんが語源になっているそうですよ。   蛇足かもしれませんが、ヒレ肉の雑学でもお話ししましょうか。 ヒレ肉はシャトーブリアンがとにかく有名ですが、細かく分けると、テート、シャトーブリアン、トゥルネド、そして今回のフィニミニョンと分けることができます。 あんまり分けるメリットが無いので、一般的にはテートとシャトーブリアンくらいに分かれてます。 テートはヒレ肉の中でも赤身が特に強い部位です。...

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精肉店での肉の買い方について解説します

精肉店での肉の買い方について解説します

いらっしゃいませ、精肉店nikuhackへようこそ。 今日は精肉店でのお肉の買い方についてお話ししようと思います。 はい、それじゃあ早速なんですが、精肉店っていろんなところにありますよね。 町の小さな肉屋さん、大きなショッピングモールの中、高級百貨店のいわゆるデパ地下などなど、いたるところにある割に、何だか入りづらい、買い方がよくわからないって方多いと思います。 今回はそんな方にぜひ知っておいて欲しいことをお伝えするので、よければ最後までお付き合いください。 今回のブログの内容を動画で見たい方は『コチラ』をタッチorクリック! 【精肉店とスーパーの違い】 さぁ、それじゃあ最初に具体的な買い方の話とかをする前に、ちょっとお聞きしたいんですが、精肉店とスーパーの精肉売り場の違いって分かりますか? 何でそんなことを聞くんだ?って思われるかもしれないんですが、精肉店の存在意義みたいなものにかかわってくるんで、ちょっと考えてみてほしいんですよ。 はい、どうですかね?精肉店の方がお肉が良さそうとか、スーパの方が値段が安いとかでしょうか? これ、人によって答えは色々あると思うんですが、僕は対面販売かどうかが最大の違いだと考えてます。 正直お肉の質や値段はスーパーでも精肉店でも現状そこまで大差ないと思います。 お肉の質とか値段はどのお店でも頑張って誠実に商売してますからね。 で、対面販売って何?っていう方のためにお話しすると、何かものを買うときに目の前に店員さんが立ってて、その店員さんと商品のやりとりをする販売方法です。 イメージとしては、ドラクエとかゲームの中の武器屋で店の人に話しかけて、気になったものがあると、その店主がその武器はドラゴンタイプの敵に効果抜群だぜ!とか言ってくれるタイプの店です。 だいたいのゲームの中のお店は実は対面販売です。 要は、店員の人と会話しながら買うお店のことですね。 で、これの何が精肉店の存在意義なの?と思われるかもですが、それはまた後でお伝えしますね。 【精肉店での肉の買い方】 じゃぁ、ここから精肉店でのお肉の買い方について解説していきます。 お店に入るとまず目に入るのがお肉が並ぶ大きなショーケースです。 そこから自分の好みの肉を選んでいくわけですが、ここで一つ障害があります。 お肉を選んでいるとこっちをジッと見てくる熱い視線をひしひしと感じるはずです。 お肉のショーケースを挟んで向かい側に立ってる店員さんですね。 この見つめられるのが嫌で、ゆっくり選べないからスーパーでお肉を買うって方もいるんじゃないでしょうか。 その気持ちすごく良く分かります。 僕も服を買う時とかに、入店してすぐお店の人がサッと寄ってきて 「何かお探しですか?」とか「試着して見て下さいね」とかニコニコしながら言われると、 「あ、はは。。どうも」みたいな反応になっちゃって「ユニクロ行くかー」ってなりますからね。 はい。アパレル業界の方ごめんなさい。...

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