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焼肉食べ放題でもとを取るには?プロが肉の原価を公開しながら語ります

焼肉食べ放題でもとを取るには?

いらっしゃいませ。

今回はみんな大好きな焼肉食べ放題についてお話ししようと思います。

突然ですが、みなさんは焼肉の食べ放題って好きですか?

肉屋が言うのもなんですが僕は大好きです。普段から、よく行きますし、好きな外食は?と聞かれたら間違いなくトップ3には入ります。

もちろん、「そんなに量は食べれないし、良い肉を少しだけ食べたいって方も多いでしょう。」

良い肉を少しだけ食べるのも大好きですが、やっぱりあの約2時間の制限の中、好きなだけ肉を食べれて、サイドメニューも選び放題っていうのはワクワクします。

きっと同じように大好きな方は多いでしょう。

今日はそんな、人気の焼肉食べ放題について、だれもが考えたことがあるであろう一つの疑問。

「焼肉の食べ放題ってどれくらい食べたらもととれるの?」について

肉屋の僕が、肉の原価を公開しつつ、実際のところどれくらい食べればもとは取れるのか、具体的な数字で解説しようと思います。

「もとをとる」って何?

まず、最初にはっきりさせときたいのが「もとをとる」とか「原価」ってなんぞやってことですね。

「一皿いくら」のものを、食べ放題の料金分頼めばもとをとれたことにするのか、それとも肉の原価で考えて料金以上食べてもとがとれたと言うのか。

そして原価には肉の原材料費以外にも人件費や家賃を含むのか、このへんをはっきりさせとかないと、こっから先の話がややこしいので、ある程度決めときますね。

もとをとるについては、誰しも一度は考えたことがあるであろう

「どれだけ食べたら店が赤字になるんだろう」をベースに肉の原価だけで料金以上を食べる前提でいきます。

そして原価については、本来人件費や家賃なども含めるべきですが、それをやると資材代や水道光熱費など、きりがなく分かりづらいので、肉の原材料費のみで計算させてもらいます。

つまり、肉の原材料費だけで、どれだけ食べたら払ったお金以上食べたことになるのかな?

という、とんでもなくわんぱくな人を想定してお話しさせてもらいます。

そして。お店の食べ放題の料金は一般的な焼肉食べ放題チェーン店の料金、そうですね3500円くらいを仮定させていただきます。

まぁ、おそらく多くの人がこの段階で

「原材料費だけで食べようと思ったら、相当な量食べないといけないんじゃない?」

と思うでしょうが、はたしてそれは本当なのかどうか、ここから肉の原価を公開しつつ解説します。

それぞれの肉の原価

それじゃあまず、食べる肉を決めましょう。

今回はメジャーなところに絞って、カルビ、ロース、ハラミ、タン、豚バラ肉を食べまくることにします。

ちなみに、ご存知の方も多いと思いますが、食べ放題の肉は基本輸入の肉です。一部国産のものを使用というメニューもありますが、ほぼ輸入肉だと思ってもらってOKです。

で、それぞれの肉の原価はいくらなんだって話ですが、

まず牛カルビ、これは僕ら肉業界の人間がナーベルやショートプレートと言ってる、牛のバラ肉になります。

一時期高騰しましたが、最近は1kgあたり冷蔵のもので1000円から1200円ってところでしょうか。

ここで一つ予備知識ですが、肉の原価は単純じゃなくて歩留まりってものが大きく関係してきます。

今回歩留まりについては詳しくふれませんが、簡単に言うと、

カットする前の肉の塊から、多すぎる脂や、硬いスジ、汚れなんかを削らないといけないから、その削った分、原価に上乗せしないとダメだよねって考えです。

話を戻して、今回の牛カルビの肉についても1kgあたり1000だとしても、歩留まりという考えを当てはめると、余分なところを削ったら結局1100円くらいになっちゃいます。

それで、焼肉食べ放題の一人前が80gくらいだと仮定して、一皿およそ90円くらいになります。

あ、今回は一皿全部80gで計算しますね。

どうですか?もうすでに一皿90円と聞いて、3500円という料金が遠く感じてきましたか?

まだ慌てるような時間じゃ無いですね。次の肉へいきましょう。

次はロースです。ロースはお店によって使用している部位が違いますが、今回はチャックロールという輸入の牛肩ロースを仮定します。よくスーパーなどで売ってる牛肩ロースのステーキ、あれですね。

この肉は、さっきのカルビより高くて原価1kgあたり1700円くらいです。

チャックロールは硬い部分があるんで、そこはサイドメニューの煮込み系やハンバーグにまわされたと考えて歩留まり70%、で計算すると一皿およそ200円ほどが原価になります。

さっきのカルビの倍くらいですね!ただお店によって一皿の量は調節してあると思うので、今回は本当にざっくりした数字だと思ってください。

どんどんいきましょう、次は焼肉の超人気部位ハラミです。

ハラミは輸入ものの名前をシンスカート、またはアウトサイドスカートと言います。ハラミの代わりに似たような部位のサガリ、海外名称ハンギングテンダーってのを使うお店もあります。

肉業界では略してハンテンってよく言われてます。

で、これらの部位の原価は、最近相場が安定しないですが1kgあたり1800円くらいです。

輸入のハラミは端っこのほうがペラペラで焼肉にしようにも、厚みが足りないので歩留まりでいうと、85%ほどで、一皿の値段にすると170円になりますね。

国産のものは希少部位として高価格なハラミですが、輸入の品物はそこまで値段が伸びなかったですね。

さぁ、牛肉の最後はみんな大好き、焼肉の定番中の定番、牛タンです。

これも冷蔵のものを想定しますが、原価はさっきまでのものと比べて頭ひとつ以上抜けた、1kgあたり5500円です。

牛タンは皮がついてるもの、ついてないもの、先っぽがおとしてあるもの、おとしてないものなど、色んな仕入れの際のバリエーションがあるんですが、今回の5500円っていうのは皮がついてなくて、硬い食感のタンの先っぽが落としてあるものです。

なので歩留まりは90%で計算します。そうすると一人前だいたい490円くらい、と言いたいところですが、牛タンは一人前80gもないことがほとんどです。

僕の印象だと50gくらいのところが多いように感じます。

なので一人前310円にしておきましょう。

最後に豚バラですね、これは最近すごく値上がりしてるんで、冷凍のものを使うことにします。

冷凍の豚バラ、原価およそ1kgあたり700円で歩留まりを考慮して一皿60円ほどです。

これで一通り原価が出揃いましたね。

じゃあこのお肉たちを注文してみましょう。

お腹がすごく空いてるときに入店したとして全部2人前ずついっときましょうか!

もとをとるにはどれだけ食べればいいか
はい、気になる合計原価はと言うと、1660円になりました。

でも、実際は白ごはんとか、お酒、サイドメニューも頼むんで、さっき言った肉を全部2人前は少しつらいかもですね。

さらに牛タンについては、今回冷蔵のもので計算しましたが、実際は冷凍の牛タンを使うところがほとんどでしょう。そうなると肉の原価はさらに下って1500円くらいになります。

こうなると肉の原価だけで料金分の原価をとるのは絶望的ですが、一応どれだけ食べれば原価超え出来るか計算します。

一番原価の高い冷凍じゃないチルドの牛タンをひたすら頼むと仮定して、単純計算で

カルビとロース、ハラミ、豚バラ2人前ずつ、牛タンを8人前食べればもとがとれそうです。

牛タン8人前、枚数にして約32枚。いける、、、かな?

まぁひとつ間違いなく言えるのは、それだけでお腹いっぱいになるどころか、食事をまともに楽しむことはできないということでしょう。

焼肉食べ放題を楽しむために来たのに、苦しくなるくらい、もとをとることを意識しすぎるのは得策とは言えなさそうですね。

それじゃあ焼肉食べ放題を楽しむにはどういう注文をするのがいいのか。

焼肉食べ放題の楽しみ方

これはもう、ここまで言えばみなさんお気づきでしょう。

食べ放題とはいえ、原価なんか気にせず、余裕で食べ切れる量、もしくはそれよりちょっとだけ多めに食べるのが満足度が高くなると思います。

実際、肉を食べまくらなくても、最初に言ったようにお店は人件費や家賃がかかっているので、2人前ずつくらい食べただけでも十分もとはとれると思います。

というか、食べ放題のお店の料金設定は本当によくできていて、お客さんもお店も両方幸せになれる価格になってるんです。

だって、そうなってなかったら食べ放題の店がこんなにたくさん出来るくらい流行ってないですからね。

まぁ、節度をもって食べましょう、とはいえ僕もついつい食べすぎて、家に帰ってからいつもうなってしまってるんですが、、

はい、今日は誰もが一度は考えたことがあるであろう焼肉食べ放題の店でもとをとるには!という話題で、実際の肉の原価を交えつつお話しさせていただきました。

食べ放題のお店に行った時楽しみ方は人それぞれでしょうが、もとをとることに固執して、楽しい時間を忘れてしまっては、本末転倒ですね。

ということでしめさせていただこうと思います。

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