肉屋でも仕入れるのが難しい『超激レア部位』黒毛和牛の牛タンとハラミについて
いらっしゃいませ。
今日はみんな大好きな牛タンとハラミについてお話しします。
ご存じの方も多いかと思いますが、牛タンとハラミっていうのは実は超がつくほどの希少部位です。
どれくらい貴重かというと、
「焼肉するときは、まずはタン!そのあとは定番のハラミだよね♪」
って感じで、気軽に食べるのは恐れ多いくらいには貴重なお肉です。
でも一方で、こう思う方もいると思います。
「牛タンとハラミと言えば焼肉のど定番でしょ、実際どこでも売ってるし、どこの焼肉屋でも食べることができるじゃん。超希少部位って言うの言い過ぎじゃない?」
確かに、牛タンとハラミといえば誰もが知ってる焼肉のメジャーメニューなので、無いところのほうが少ないです。
ただ気軽に食べれる、買えるものは黒毛和牛じゃないですし、ほとんどの場合が海外産のものです。
何故牛タンとハラミは希少なのか?
それじゃあ、なんでそこまで言うくらい黒毛和牛の牛タンとハラミが貴重なものなのか。
そしていつも見るタンとハラミは何で安価に食べれるのかっていうのをお話ししますね。
まずタンとハラミって牛一頭から取れる数量って知ってますか?
タンが約1kg、ハラミはサガリっていうハラミの横の部位を合わせて2~3㎏です。
今でてきたサガリは今回詳しくはふれませんが、ハラミの横についてる似たような部位だととらえてくれてOKです。
牛一頭からとれる肉が約400kgくらいなので、1パーセントに満たない数字ですね。
まぁ、ここまではよくある希少部位の説明で、何もタンやハラミに限らずどんな部位にもあてはまるので、それくらいは知ってるよって感じかかもしれません。
黒毛和牛タンとハラミが希少だと言われるのは、本当の理由はその入手経路確保の難しさです。
肉なんだから、普通に問屋さんから仕入れて販売すればいいんじゃないの?と思われがちですがそう簡単ではありません。
まず僕らのような販売店や焼肉店は黒毛和牛のタンとハラミが欲しい場合、ホルモンセット、内蔵セットを仕入れないといけないことがほとんどです。
ホルモンセットというのは、牛一頭分のホルモン、内臓肉ですね。
このホルモンセットには、小腸や大腸、レバー、ハツなどがあります。だいたい全部で30kgくらいでしょうか。
タンやハラミっていうのは、内臓肉なのでここに含まれています。
で、これがどういうことかというと、タンやハラミ以外も含むセットの価格でしか仕入れできないので、他の内臓肉もきちんと処理して販売できるお店じゃないと、利益が出せないんです。
小腸とか大腸、ミノ、センマイなんかは商品化するときの処理方法も大変ですし、
黒毛和牛のホルモンセットとなると、その価格もかなりのものですから、うかつに仕入れることはできません。
これがまずひとつ、黒毛和牛のタンとハラミを入手するのが難しい、、というより仕入れるときの障壁第一です。
第二にそもそも、セットであっても仕入れできないというのがあります。
黒毛和牛のホルモンは名前の響きを聞いただけで分かると思いますが、めちゃくちゃ人気が高いです。
さっき言ったような条件があったとしても、ぜひ欲しいってお店は多いです。
牛一頭からとれるホルモン以外の肉は400kgくらいありますが、ホルモンはその10分の1くらいしかありません。
タンやハラミなんかはさらにその10分の1です。
それに対して日本には数多くの肉屋、スーパー、焼肉屋がありますから、取り合いになるのは容易に想像できますよね。
じゃあそんな取り合いになる黒毛和牛のホルモン、だれがゲットできるのって話ですが。
問屋さんと仲が良い、つまり信頼関係が構築できてるお店です。
需要に対して供給が追い付かない品物ですから、まずは仲のいい、付き合いの長いお店に優先して持っていこうというのは当然かと思います。
新しく焼肉店をオープンするけど黒毛和牛のホルモン、仕入れることできますか?と問屋さんに聞いても絶対に無理でしょう。
仕入れることさえ難しい、このホルモンですが、これを仕入れできてるお店は信頼度が高い良いお店と言えるかもしれませんね。
はい、この、取引先の問屋さんと信頼関係を構築できてるお店じゃないと仕入れできないっていうのが第2の障壁でした。
海外のタンとハラミは何でリーズナブルなのか?
ここまでで、黒毛和牛のタンとハラミがなんで貴重なのかはなんとなく掴んでもらえたかと思います。
でも、一方で気軽に食べれるものもありますよね。それはなんでなのか、
もちろん海外産のものだからということなんですが、じゃあなんで海外の牛タンやハラミはリーズナブルなのか知ってますか?
え?そうなの?って思うかもですが、牛タンやハラミを含む内臓肉は、その仕入れのメイン国であるアメリカでは、ほぼ食べられないからなんです。
ハラミはスカートという名称でまだ流通しているようですが。
で、文化として内臓肉を食べる慣習がないので、自然と大量のタンやハラミが安価に国外に出回るんですね。
その結果日本の多くの精肉店、スーパー、焼肉店で気軽に食べることが出来るってわけです。
確かに牛タンって焼肉文化で世間に認知されてきたものですから、ステーキメインのアメリカだと、敬遠されがちなんでしょうね。
大きい店舗だと置いてあるかな?ってくらいです。
黒毛和牛と海外産のもので味はどれくらい違う?
そんなお馴染みのアメリカ産牛タンと比べて、黒毛和牛のものは味がどれだけ違うのかは気になるところですよね。
これははっきり言って、格が違うと言えるくらい別物です。
なんでそうなるか、もちろん黒毛和牛のタンやハラミは脂がのってるから日本人好みというのもありますが、主に鮮度の差が原因です。
最近では熟成タンというものもありますが、基本的にタンやハラミは内臓系なので鮮度が命です。
国外から入ってくる過程でどうしても、鮮度は落ちるので仕方がないのですが、そこで大きく差がついてしまうんですね。
うちでもアメリカ産のタンは販売してますし決して美味しくないということじゃないですが、食べると一口で分かるくらいには差があります。
黒毛和牛のタンとハラミはどんな店で手に入るのか?
それじゃぁ、そこまで言う黒毛和牛のタンとハラミはどこで食べれるんだってことですが、これは話の中盤で言った通り、ある程度長く商売をしている焼肉店、精肉店で主に食べる、または入手することができます。
当ショップでも入荷した時はすぐに並べていますが、数が少なく入荷後1日たたずに売り切れになっています。(もっと仕入れ出来るように頑張ります!)
はい、今回はここまでにさせてもらうんですが、黒毛和牛のタンとハラミに対するイメージがちょっと変わりましたでしょうか?
変わったよって方は、話の冒頭で言ったように、黒タンとハラミを食べることがあればとりあえず最初に頼んどくか!ではなく、
「こ、これが黒毛和牛のタンとハラミ!」
って感じで味わって食べることをおススメします。
ではこのへんで失礼させていただきます。またのお越しを。
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