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雌牛なら何でも美味しいというのは間違いです

いらっしゃいませ。

今日はお肉を買うときに話題になる雌牛について語っていこうと思います。

最近いたるところで、雌牛が旨いとか、肉は雌牛にこだわって仕入れてますというキャッチフレーズを聞くようになりましたね。

テレビやネットメディアでも雌牛だから旨いんです。ともてはやされていますが、ここで疑問に思う方もいるはずです。

「雌牛って本当に美味しいの?何でそんなに美味しいって言われるの?」

今回はそんな疑問にこたえるべく、肉のプロ目線で見た雌牛について解説しようと思います。

 →YouTubeの動画はコチラ

まず最初に僕なりの考えを先に言っておきます。

雌牛だから美味い!は間違いです。

語弊があって怒られそうですね。

雌牛なら何でもかんでも美味しい!は間違いです。に訂正させてください。

言い換えると、雌牛じゃない肉、去勢牛と言いますが、去勢牛でも美味しいものは美味しいになります。

冒頭でも言った通り、最近色んなところで雌牛がもてはやされているので、

逆に去勢牛は微妙なんじゃないの?と勘違いしている方がいるかもしれません。

そんな方に、決してそんなことないですよ!と声を大にして言わしていただきます。

一番言いたいことを言えてスッキリしたので、今日はこれで失礼します、、というのはあまりに不親切なのでちゃんと解説させていただきます。

雌牛が美味しいと言われる理由、これを言った後に、で実際はこうですよといった流れでお話ししますね。

まず雌牛が美味しいと言われるのは、ひとえに特徴的な脂質と肉質によるものです。

雌牛は一般的には去勢牛よりも脂と肉質が柔らかくなる傾向にあります。

脂質が柔らかいというのは、脂の溶ける温度、融点が低く口当たりがまろやかになりますし、肉質が柔らかいのは、そのままでお肉が柔らかくなります。

また、旨味のもとである不飽和脂肪酸も多く含む傾向にあります。

ここまで言うと、なんだ結局美味しいのは雌牛か、とお思いになることでしょう。

でもちょっとまってください。脂質や、肉質、旨味成分にしても良くなる傾向にあるということに注意してほしいんです。

あくまで傾向です。

どういうことかと言うと、雌牛でもいまいちな品物になる可能性があるということです。

完全に僕の持論なんですが、肉と言うものは、同じ品種というスタートラインに立つなら、牛の性別よりも、個体差が圧倒的に大事だと考えています。

去勢牛でも、脂と肉質が柔らかく、旨味成分の強い肉はたくさんあります。

これまで何千と肉を見てきた僕の経験から言うんですが、肉の品質は個体によってバラツキが本当にすごいです。

なので、実際のところ肉が旨いかどうかは、雌か去勢かではなくちゃんと品物を見ないことには分からないんですね。

例えば、脂は少しクリームがかっていて、柔らかく、肉色は小豆色で、適度な水分量でかつ肉に締まりがあること等です。

それにこだわって提供する肉の品質を統一しようとした結果、雌牛になったということであればそれはぞれで良いことだと思います。

結局何が言いたいのかと言うと、本当に美味しい肉っていうのは、仕入れる人間の目利き次第ということです。

肉の美味しさを決定づけるうえで、一番大事と言っても過言ではない肉の目利きですが、これを行ううえで牛の性別がどうこうは一つの判断基準に過ぎません。

実際僕も、仕入れの際にさっき言ったような判断基準で肉を見てるんですが、牛の性別は二の次です。美味しそうな肉かどうか、これに最大の比重を置いています。

その結果、傾向として雌牛になる割合がちょっとだけ多いですが、去勢牛ももちろん使用しています。

そんな感じで、 実際に見てみないことには何とも言えないので 、味の判断基準に関しては、去勢か雌かをそこまで重視しないですが、味以外で大事な要素があると思っています。

それは大きさです。

雌牛は去勢牛と比べて体格がほんの少し小さいです。

小さいということは、ステーキ肉にしたときに厚みがでる、ということです。

大きい肉だと肉の表面積が大きいので、同じ重さでステーキを切ると薄くなりがちですが、体格の小さめの雌牛はステーキに厚みを出しやすいんです。

まぁ、これは大きい面積のステーキが好きな人もいれば、小さくても厚みのあるほうが好きな人もいるので好みの問題になるかもでですが、

個人的には、ステーキは厚めに切って、火をじっくり通した方が美味しいと思っています。

なので、小さめの肉を仕入れたいときは、雌牛指定で発注することもあります。

あと、仕入れの話とは逸れますが、雌牛をお店の売りとして掲げるところは、だいたい貴重や、希少という言葉をセットにしていますよね。

それは何故なのか。牛は雌が生まれる確率が極端に低いんだよ!とかではありません。

A5とかA4とかの格付けの観点で見ると、雌牛は貴重になる、というふうに捉えられています。

というのも、雌牛は去勢牛に比べて霜降りが入りづらいんです。

肉の格付けと言うのは主に霜降りの多い少ない、によって決定されるので、去勢牛と比べて霜降りの入りづらい雌牛は、自然と格付けが低くなりがちなんですね。

で、それにもかかわらず、ばっちり霜降りの入ったA5の雌牛は貴重な存在と言われるわけです。

ただそんな崇高なA5の雌牛ですが、避けられるパターンというのも存在します。

例えば、スーパーさんや、大きなショーケースをかまえる肉屋では、去勢牛を好んで仕入る方もいます。

雌牛は肉の色が濃く、深い色合いになる傾向にあるので、鮮やかな赤色にならない場合があります。

一方で去勢牛は発色が良く、ずらっと並べた時 綺麗に見えやすいので、そちらを好む方がいるんでですね。

鮮やかな赤色をした肉ってのは見た目的に美味しそうに見えるので、魅せ方命の店舗にとっては雌牛は敬遠されることがある、というわけです。

はい、ここまでで巷で話題の雌牛の実情についてお話させていただきました。

雌牛とは言え、何でもかんでも良いのではなくて、色見であったり、霜降りの入り方、大きさ等等、で一長一短なところもあるということが、なんとなくわかってもらえたかと思います。

で、ここへきて話は戻ります。

肉が美味しいかどうかっていうのは、雌か去勢かの情報で決まるのではありません。

もちろん、ある程度の目安にはなると思いますが、大事なのは、利用するお店が、しっかり目で見て本当に美味しい肉なのかどうか見極められているかどうかです。

肉を買うとき、食べに行くとき、この店は去勢牛を使ってるのか、残念。。とか思うのではなく、実際の味はどうなのかということに注目してみてください。

そうすれば一段上のお肉ライフを送れるはずでです。

これって何も、雌牛だけの話題じゃないです。これまで熟成牛や赤身肉、牧草牛、経産牛いろんな人気ワードがありますが、結局のところ食べてみて自分が旨いと思えるかどうかなんですよね。

自分が美味しいと思ったものを周りに流されずに美味しいと思えて、そしてその肉をこだわりを持って仕入れしていいる相性の良い店に出会えたら最高ですよね。

なかなか難しい話をしているかもですが、本当に美味しいお肉を追い求めるならぜひ、心のどこかにとどめておいてくれたら嬉しいです。

それでは、今回はこのへんで失礼させていただきます。

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